『ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春』鑑賞

メンタル
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月一回の楽しみの映画鑑賞をしてきました。本日は「ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春」を見てきました。訪問看護師として、ご高齢者の方と関わることが多い私にとって、とても学びになる映画となりました。今回はそのレビュー記事です。

一部ネタバレを含む可能性がありますので、読まれる際はご自身の判断でお願いいたします。

変化を受容できるか

肉体は時間とともに老いていく。今までできていた活動も疲れやすくなったり、脳の機能も低下していく。しかし、精神は時間の経過とともに成熟していく。
見た目はどんどん年老いていくが、自分自身はそれを自覚することは難しい。自分自身は自分のことをずっと見ているわけだから、なかなか外見の変化に気づきにくい。確かに自分自身は年齢は32歳だが、自分のなかでの自分のイメージはまだ20代なかばから後半ぐらいのときの残像が頭の中に残っている。映画のなかで橋本さんも「幼稚園児とばかにしているのか」と激昂するシーンがあった。そんな中で他人から「おじいちゃん」と言われるとむっとするのも無理はないと思った。僕自身、まだまだ若いつもりでいる。しかし、子供から見るとやはりおじさんだと思う。いつしか、ご利用者さんやその家族さんに年齢を尋ねられたときに実年齢を答えると「あら、見えない。もっと若く見えるわ」と言われると嬉しい気持ちになるのは、そういった影響だろうか。

頭ではわかっていた。「高齢者には尊厳を持って接しましょう」この意味を映画を通して、学ぶことができた。僕自身、慣れ親しんだご利用者さんに気が緩んで老人扱いをしてしまっていたことに気づいた。あらため、「高齢者には尊厳を持って接しましょう」の意味を再認識した。

また、インストラクターの人の変化の受容過程も面白かった。競泳への夢をなかば諦めて、市民向けのプール講習のインストラクターをすることになった。最初はなんでこんなこともできないの?とついつい自分のレベルで教室を開催しまった結果、徐々に受講者は0になった。しかし、上司の言葉をきっかけに泳げない人たちの気持ちを理解しようと努力する。水をわざと飲み込んでみたり、鼻から水が入るつらさを体験してみたり。少しづつ、できない人の気持を理解しようと努めていった。結果的には、他者視点を獲得することができ、初心者は大繁盛していく。

その人のつらさはその人でなければわからない

周りの人を見たとき、「なんでそんなに悩んでるんだろう」とか、「細かいな〜」と思うこともある。でも、その人にとってそうでなければならない理由がある。頭こなしに否定するばかりでは他者視点は稼得できない。もちろん、すべてを理解することはできないし、理解しようとはしない。あくまで、「you are you. I am I。あなたはあなた、私は私」精神は大事だと思っている。ある程度の境界線を設けなければ自分自身も巻き込まれてしまい、自分自身を見失ってしまうからだ。だが、理解しようとする姿勢は大事だと改めて学ぶことができた。

ゼロヒャク思考からの脱却

僕自身、肉体の変化におそらく敏感な方だと思う。20代は格闘技に多くの時間を費やした。結果的に30歳を過ぎた頃に、自分の限界を感じて競技をやめる選択をした。今は、健康維持程度に週に4〜5回程度エニタイムに通っている。20代にできていた運動量は当然叶わない。「衰えたな・・・」と実感することもある。当然、競技に専念していたときに比べるとそんなことは百も承知である。しかし、どうしても過去の自分と比べてしまっている自分がいることは否定できない。それを実感するのは怖い。否認したくなる。でも、受け止めなければ前には進めない。別に前に進む必要性は必ずしもあるわけではないが、自己理解を進めることはとても大事なことだと思っている。なので、過去と比較するのではなく、今できたことを見るように心がけている。「今までみたいには無理だけど、ここまではできる。ここまでできたら十分でしょ ♪」マインドを意識している。「自分の限界は自分で決めない」という文言がスポーツ界隈では根強いと思う。しかし、それが時として自分を苦しめることもある。自分自身はパニック障害になった経緯もあり、それを強く実感している。過去と比べて、落ち込み、その結果まったくやらなかったら0。でも、過去を100としたら少しでもやると60点ぐらいはできる。60点あれば十分でしょ。

まとめ

「ラストターン 福山健二71歳、二度目の青春」を通して、老年期の変化、変化を受容していくこと、他者理解の必要性を学ぶことができました。僕自身にとってはプライベートにも看護師の仕事にも繋がるような、とてもいい映画でした!

橋本さんが福山さんの踏み出せない一歩を押したセリフ「出来ない事を出来るようになるのは愉快じゃないですか?」このマインドはずっと僕自身も持っていたいなと思いました♪

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